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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

子音+ L 

さて、Rが繋がるタイプの次にやっかいなのは、L音がくるものである。Rと逆に、舌を上の歯の裏に押しつけたまま発音するというL音の基本を思い出し、子音とつながるとどうなるか、理屈でまず「考えて」挑戦してみる。R音よりもL音の方がはっきり強めに聞こえる傾向がある。R が口の奥の方に引っ込むのに対し、L は前の方に出てくるからである。

★BL-とPL-  

ブラックBlack、ブルーBlue、ブラインドBlind、ブロックBlock、ブラウスBlouse、プレイスPlace、プラスチックPlastic、プランPlan、などたくさんある。 BやPはほんの「踏みきり」ぐらいの感じで軽く発音し、続くL+母音の部分をおおげさ目に発音する。 

★CL-とGL-  

喉の奥で発したC(K音)やG音のあとに、しっかり息を口の前までおくって、上の歯に押しつけた舌の両脇から息をもらすような感じになる。クラスclass、クリーンclean、クリアーclear、クリップclip、クラブclub、などCL-のほうはうようよある。GL-はグラスglass、グライダーgliderなどで(カタカナ語化したものは)そんなに多くはない。

★FL-  

フラワーflower、フレキシブルflexible、フロアーfloor、フラットflatなどなどたくさんある。ちなみに、「フリーマーケット」はFree Marketではなく、Flea Market と綴られ、「蚤の市」という意味だ。Fleaは「蚤」で、転じて「がらくた」という意味がある。フリーマーケット=「自由市場」だと思っている人が多いと思うが、そうではなく、「がらくた市」なのだ。
有声音バージョンのVL-で始まる単語はほとんどない(語中にはたまに出てくる)。

★SL- 
カタカナ語のスリルはthrillだと前に書いたが、スローslow、スリムslim、など、純粋のS音に続く音がカタカナならラリルレロになる場合はRではなく必ずLである。逆にTHL-の発音はない(実際ほとんど発音できない)。

★TL-/DL- 
これは、同じように歯の裏に舌をつける発音なので非常に発音しにくく、基本的にこれらで始まる単語はほとんどない。だが、たとえばrepeatedly(繰り返して)とかsilently(静かに)など、形容詞にLYがついて副詞になるようなときにこの発音があらわれる。その場合はD音やT音はほぼ消えてしまう。DやTで軽く下を歯の裏につけるが、Lでそれを再び強く押し当て直す。

これらもまた、さらにその前にSがつくパターンもありうるわけだが、それほど多くない。カタカナ語になっているような語で、S+子音+L-で始まっているのは、スプラッシュsplashとかスプリット(ボウリングの)splitぐらいで、あとは語中にその繋がり方が出てくるが、多くはない。
しかし<S+子音>で始まっている単語はそれなりに多く、語頭のSが聞こえにくいことが多い。この連載の冒頭で書いたスパゲッティspaghettiもそれである。発音の仕方自体はそれほど難しくないと思うが、母音を入れないように気をつけて発音しなければならない。息の音だけで、むしろその後の音を発音するための勢いづけみたいなものだと思えばよい。あとで詳しく述べるが、そのためには、アクセントのある母音はむしろ強調しすぎるぐらいに強調して、長~~く発音し、その他の部分は、ちょん、と踏み切るぐらいにする、という英語のリズムにも注意しなければならないのだが。

前にも述べたように、スペイン語は日本語と発音が似ている。streetやspaceのようにs+子音で始まる単語もほとんどない。彼らは、その前にさらに母音をつけてしまう。estradaエストラーダ=道(=street) espacioエスパシオ=スペース(=space)、そもそも国の名前もSpainではなくespana(エスパーニャ)となる。これならSが埋もれて存在が不明になってしまうこともなさそうで、やっぱり日本人にとってははるかに聞き取りやすく話しやすい言語だろうな、と思う。返す返すもスペイン無敵艦隊がイギリスに破れたのが残念だ…って、たぶんそういう話じゃないですね。

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